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夜中、あるマンションの壁に、虫のようにへばりつく、シミーズ姿の若い女のような者がいた。
いや、おらんって(笑)
それは、ラルクのライブの帰りだった。
最高のライブだったはずなのに、その者を見た瞬間、わたしの意識が・・・
全てが消し飛ぶ---------------------------。
これが書かれた日は2000年11月11日。
痢煙が、ラルクの大阪ドームライブに行って来た日なんです。
ライブの事を掲示板に書いたら、それを早速ネタにしています。
シミーズの女の髪は長く濡れていて、べっとりとシミーズに絡み付いている。
その濡れたシミーズに、貼り付く透けた肌は、何か、どことなく紫がかっていた。
その女は、マンションの壁(側面)をまるでゴキブリのように、よじ登っていた。
そして、その姿はマンションの最上階付近の壁で、フッと消えた。
そう、まるで煙が吸い込まれるように・・・
壁の隙間に吸い込まれたのだ・・・
『あれは・・・わたしの部屋だ・・・』
気がつくとラルクのライブ会場にいた。
周囲(まわり)のみんなは、とりつかれたように、歌に発狂している。
わたしは取り残されたように、いや、空白の時をなぞるかのように、
まだ意識が朦朧としていた。
『あの女はいったいなんだったんだ・・・』
わたしのマンションの部屋に吸い込まれていったシミーズの女・・・
!?あれ、なんでわたしはそんなことを・・・
矛盾がおこる。
夢でも見てたのか?
最近ようやく風邪も治りかけてきたのだが、
まだ、疲れがたまっているのだろうか・・・
この頃、痢煙は風邪をひいていて、治りかけた頃でした。
実生活と、微妙にリンクしながら進んで行く物語なんです。
しかし、こんなに交感神経が活発になるライブで、眠りに入れるものなのか?
そんなバカな・・・
まさか、『眠りによせて』で、寝てしまったなんてことはないだろう。(笑)
「眠りによせて」は、ラルクのデビュー曲です。
ん?・・なんだ・・この盛り上がり方は・・・
え?この曲はさっき・・・さっき聞いたはず・・・
アンコールか?
いや違う・・・
アンコールじゃない・・・
こっ、これは・・・
バチバチ・・・
蛍光灯がちらつく・・・
・・・・・・・・・・・・・・。
---わたしは御飯を食べている。
もぐもぐと・・・
ふと思う。
あれ?わたし、ライブに行ってたんじゃ・・・
テレビからはラルクの曲、『花葬』が流れていた・・・
こんな番組見ていたかしら・・・
おかしなことを思う自分に、疑問を抱くのは止め、
御飯を口に入れる。
もぐもぐ・・・
もぐもぐ・・・
もぐもぐ・・・
もぐもぐ・・・
シャリ・・・
もぐもぐ・・・
シャリシャリ・・・
もぐ・・もぐ・・・
シャリシャリ・・・
もぐもぐ・・・
バリバリ・・・
もぐもぐ・・・
シャリバリ・・・
もぐも?!
なんだ?シャリ!!
!?
なんと天井に濡れた髪を垂らしながら、蛍光灯を口に入れ、
バリバリと噛み砕く、シミーズの女がいた。
バリバリ・・・シャリシャリ・・・
口の中に、ガラスの破片がいっぱいになりながらも、まだ口を動かす。
血が見える。
彼女の顔は苦痛の笑みを浮かべながら、ごくりとガラスの破片を飲みこむ。
ゴクリと・・・
わたしは目をそらすことができない。
金縛りか?
恐怖か?
ガラスが飲みこまれるたびに、私は寒気に襲われる・・・
彼女の喉元が、異様な形に膨れていく・・・
彼女の目は、白眼になりながらぐるぐる回っている。
ぐるぐると・・・
ひひひひひひひ・・・・
とすすり笑った瞬間-------
彼女の首、喉、つまり食道から、ガラスの破片が、外へ飛び出した。
一瞬の間があった。
彼女の首からまるでスプリンクラーのようにどす黒い鮮血が飛び散る。
彼女は笑う・・・
わたしはそれを見ている。
彼女は白目で笑う。
わたしはそれを見る。
うごけない。
わたしの顔はひきつっている。
彼女の首が三百六十度回転する。
ゆっくり・・・ゆっくりと・・・
傷口から血は飛び続けている・・・
テレビに・・・
テーブルに・・・
白い御飯が真っ赤に染まってゆく・・・
床にも・・・
そう、まるで回転シャワーのように・・・
天井にブラ下がった女は、先程より、速いスピードで首が回っている。
今にも千切れそうだ・・。
彼女のシミーズも、わたしの長い髪も、服も、顔も・・血をあびている。
暖かい・・それは、とても暖かい・・・。
それは、水でもない、お湯でもない、暖かいネットリとした血のシャワー・・・
血液のシャワーである・・・
その激流のように打ち落ちるシャワー、血液が、身体に触れて固まってゆく。
その理由は、血液の成分、赤血球が外気にふれ固まってゆく・・・のだ。
そうして出来るゼラチン状の物体・・・
たちこもる臭気・・・
だが、そんな現状の中に居るわたし・・・
しかし、わたしは、放心することもなく、彼女を見ているのだ・・・
首から上が、紫色を通り越した色になり、首が、何回転もねじれている・・・
しかし、それでも、彼女の首は回転する・・・のだ。
そして首は今にもちぎれそうだ・・・
血はまだ、勢いよく、ほとばしっている・・・
ブチっ!!
鈍い音がした。
それと同時に、黒い長い髪が、勢いよく回転し落下する・・・
ゴトリ・・・
彼女の首はテーブルの上に落ちた・・・
しかし、まだ回転している・・・
それは、まるでコマのようだ・・・コマのようにクルクルと回転している・・・
そしてテーブルにはまるで毛筆でかいたような線がつく・・・
髪に含んだ血液が・・・
だんだんと、落下した首の回転スピードが遅くなってきた・・・
首(彼女)の表情が見てとれる・・・
彼女の口は、まだ動いている・・・。
シャリシャリと・・蛍光灯を噛み砕いて・・いる・・・
眼と眼があ・う・・・
その彼女、女首の眼は白眼だ・・・
とてつもなく、乳白色に濁っている・・おそろし・・・
その瞬間、
カサカサと上の方で音がする・・・聴覚に滑り込んで来た・・・
わたしは、天井を見上げる。
そこには、頭の無い体が、まるでゴキブリのように、カサカサと這いまわっていた・・・
もう、頭の無い身体の首(切断面)からは、血は、一滴も出ていない・・・
視野を下に戻す・・・
私は首(頭)を、もう一度、見つめた・・・
わたしは、顔についた血液が乾き始め、だんだんと顔が突っ張っていくのをこらえて・・・
顔を、その首に近付けた、その時--------
BUHABAAAAAAAAAAAAAAAA!!
いきなり彼女の首は、ガラスの破片を口から勢いよく吹き出してきた。
しかし、それはスローモーションのように、血液の粒と、硝子の破片が、
ゆっくりと、わたしの顔、眼に飛び込んで来る・・・・
わたしは思わず眼を閉じた・・・
---もぐもぐ・・もぐ。
わたしは御飯を食べている。
白米ではなく、赤飯を・・・
テレビからは『花葬』が流れている。
あれ?!わたし?!
今・・あの首は?・・・
蛍光灯がチラつく。
『・・・刹那の闇はどこにでもある・・・そう蛍光灯のチラつきにもだ・・・
光無くせば、そこには、常に存在する物が見えるんだよ・・・
しかし、それもまた、たまたま見えた物にしかすぎない・・・
しかし、眼に頼る者ほどこそ、このようなマヤカシにやられるのだよ・・・
光りに照らされた物が、もしも真実というならば、このようにも見える・・・』
---わたしはいつものように御飯を食べている。
白い御飯に茶褐色のものが入っている。
真っ白に映える茶褐色のモノ。
ゴキブリ・・・
お茶碗によそわれた、白い御飯には、大量のゴキブリが混じっていた・・・
バリバリ・・バリ・・・
わたしはそれを食べている・・・
平然と・・・
心はそこに在らず・・・
そして、蛍光灯はいつまでもちらついていた・・・。
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ある日、夜中にネットをする痢煙を怖がらせようと、
痢煙の個人サイト掲示板に、s嬢が色々な悪戯書きをし始めたんです。
それが「おろし」の始まりです。
御伽草子の壁紙使用例に使っている「妊娠した雛人形の堕胎」という詩も、最初は
s嬢が掲示板に書き込んだ悪戯書きなんです(笑)おろしが始まる少し前だったでしょうか。
掲示板で連載されるこの物語りを楽しみに、掲示板直行で遊びに来る方も
たくさんいらっしゃって、s嬢は人気作家でした(笑)
これから始まる物語を、ゆっくり楽しんで頂ければ、嬉しく思います。
つづく・・・