--------------------------
長い赤髪と漆黒のマントが、闇が喰らいつく夜、ヒラヒラと舞う。
赤神 丞は息を切らしながらも、ビルとビルの狭間を跳ぶ・・・
そして何やら、ヒソヒソと言葉、祝詞を発す・・・
『大黒天の祝詞・・・』
なぜ「大黒天」なのか?
これにも元ネタがあって、丞がこの年の初詣に「大黒神社に行った」
と言ってたからなんですよね。
丞は、蒼い顔色をしている・・・
胸元で印を組み・・・そして、この祝詞を発している。
何のために?・・・
---東くだり。
痢煙・・・
彼女の魂は、今、東の方へ導かれていた。
霊山。
彼女は死んだのか・・・
いや、かろうじて、死んでいない。
彼女の魂は、錐で打ち抜かれはしたが、彼女の肉体の方は、
死というダメージを受けてはいない。
入れ物は無事なのだ。
そう、彼女は枕もとに、彼から受け取った、身代わり人形を置いていた。
いつもそばに・・・
赤神氏の人形。
あの女にコメカミを打ち抜かれたとき、この人形が身代わりとなったのだ。
グゥワッシャ〜ン・・・ン・・ン・・・
そう、あの時の音は、この人形の頭が吹き飛んだ音だったのだ・・・
しかし、この錐女の執念は恐ろしく強く、痢煙の魂を逃がすまいと、
長年鍛えた、たこ焼きの技術で、手際よく、錐の先で転がし、絡めとり、
そして魂だけを引き抜いた・・・
恐ろしい錐女なのに、たこ焼きって(笑)
赤神は胸を締め付けられる思いがした。
『どうして、わたしは、彼女のそばにいてあげられなかったんだ・・・』と。
しかし、悔いても遅い。
痢煙の魂は、あの忌々しい錐女によって、拉致され、
三途の川へと連れられて逝ったというではないか・・・
赤神は思う。
『また、わたしは失ってから後悔するのか・・・いや違う。
まだ失ってはいない。まだ間に合うはずだ!!
わたしの力で彼女をなんとしても救ってみせるぞ!!』
と・・・
赤神は妹、ダンナアに、心のうちを紐解き、
『生きて帰れるか解らない』と許しをこう。
赤神 丞の妹「ダンナア」
モデルは実際の、丞の家族です(笑)
妹ダンナアは、うなずきながら、
「わたしは、お兄様を愛しています。だからきっと無事に帰ってこれますわ。
わたしには、その確信があります。」
そう妹は、兄に力強く言った。
そして、なにやら書いた符を和紙に包み、
「きっと役にたつはず。肌身離さず、持っていてください。必ずですよ。時が来れば必要になります・・」
兄は涙をこらえ、ダンナアの頬にキスをし、彼女の目を見つめた・・・
妹の瞳の奥には、赤く燃え上がる、己のオーラが映っていた。
そして、月が雲から出た刹那、マントを翻し月光の中へと消えていく・・・のであった。
つづく・・・