鈎針婆の章 おろし!! #64†母からの電話†

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「さんちゃーん!見て見て!プロレスかな!?逢坂プロレスよ!きっと!」
痢煙は、敷地内にある、モズバーガーショップから出てきた。
その手には、モズチーズバーガーを持っている。
実際に、フェスティバルゲート内に『大阪プロレス』と『モスバーガー』
が存在します。


こんな時間に、店は開いていない。
盗んだのだろうか?

すでに、化け物によって店は荒らされていたため、
痢煙は、簡単に中へと入り、厨房で勝手に、
雨女酸性と、バーガーを作っていたようだ。

やはり・・盗んでいた・・・

雨女酸性は、メロンソーダを飲みながら、
『これ、変わった飲み物ね、ふーん。本当だわ・・スゴイ乱闘。』

バキバキバキーッ!!

人骨で組まれた屋台が、蹴り飛ばされた化け物によって、壊されて行く。

『ああ〜俺の店が〜止めてくれ〜壊さないでくれ!!』
水子すくいのオヤジが必死で、壊れる屋台を支えている。

それを容赦なく壊す、赤神。

その骨を手にして、化け物の頭を叩き割る!!

バキ!
バキ!

『ぎゃあああああああっ』

頭をカチ割られ、悶える化け物。

『来た!赤神さま!』

「ちっ!」

ドス、グイ、バキ!

化け物の突きをかわし、その腕をへし折る!!

「キリがない!」

ドゴ!

犬の顔した化け物が、顔をゆがめて、倒れていく・・

「おい!赤神っ!」

ドスドスドス!!

「!?」

「おーいッ!赤神っ!ここだ!」

ドスドスドス!

化け物と化け物の間に、月に輝く頭が見えた!

「空怪か!」

赤神は、殴りそうになった拳を、引いた。

「痢煙さんは、いたのか?」

ドスドスドス!
バキバキ!!

お互い、パンチを止めることなく、普通に会話を始める。

「わからん、まだ、探していない。」

ドスドスドス!
バキ、ゴキ ドドーン!

「そうか、分かった、拙僧は、あっちに行く!では!」

ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス!!
ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス!!
ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス!!
ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス!!

化け物が、殴り飛ばされ、宙に舞う!

『うわ〜スゴイ!稲刈り機みたい、あの坊さま。あはっ』

「ふっ」

バキバキっ

ドドーン!!

『オイラの屋台があ〜ああ!ラジオが!!』
目玉カステラのオヤジが、赤いラジオを受け止めた。

「「ガガガ・・今週の第二位!!
"サンザンなオールスターズ" "ナダレ〜♪"
殺しあ〜うと〜すな〜おに〜♪ガガガ」」

『ボリュームがデカいままで戻らない!!うわーん』
目玉カステラのおやじ、一つ目巨人は、その大きな目から、大粒の涙を流した。

ラジオから、最大ボリュームで流れてくる、その大ヒット曲に合わせて、
化け物たちは、全員、歌いながら、赤神に飛びかかってきた!

それは、本当にナダレだ!!

『おしゃ〜ぶり〜♪』

バキ!

『でき〜な♪ウガっ』

赤神のパンチが、アゴを砕く!

「ええいっ!やかましい!」

ドコ!

『赤神様〜この曲、人気あるのよ〜』

ドス!

「そんなもの知らん!」

バキバキバキ!!

『ナダレのような〜♪』

ゴキ! ドドーン!!


プルルルル・・・

プルルルル・・・


『赤神様、なんか鳴ってるよ〜』


プルルルル・・・


「ちっ、誰だこんな時に!」

ドゴゴギ!

『はい、電話〜。』
葛遊は、赤神の肩に乗り、携帯を赤神の耳にあてた。

「誰か知らないが・・今忙しいから、後にしてくれ!」

赤神は、心の中で思った。
何故、闘いながら携帯に出なければならないのかと。

しかし・・

「緋威露です。切るんじゃありませんよ。せっかく電話してるっていうのに。」

「お、お母さん!?」

ドガ!

「だから、緋威露だって言ってるじゃないの。」

ゴゴ!バギ!ドガ!

「今、忙しいから後・・」

ドゴゴ!

「知ってます。見てます。だから電話してるんでしょ。」

「ええ?」

ベギ!バキ!

「だから、あなたが、刀無くて困ってるみたいだから、電話したんです。」

「ええ?」

ゴキゴキゴキ!

「反省してる?反省してますか?」

「ええ?・・反省?!」

バキ!

「そう、あなたは、いつも敵をボコボコにしてから斬るでしょ、だか・・」

「今、説教は、やめて下さい。(この状況見てるんだろが!?)だから何なんです!!」

ドゴドゴバキ!!

「注文しておきました。」

「ええ!?」

バキ!

「もうすぐ、そこに届きますから。あ、そうそう、お母さんの刀は、
もう返してもらっていますからね!じゃあ、頑張るんですよ。」

「あっ・・」


ガチャ・・・


ツー ツー ・・・


「・・あのババア・・・」

『赤神様・・・』


バキバキバキドゴーーーン!!

「ふう・・」

少し一段落したのか、化け物の攻撃が止んだ。

皆、耳を澄ましている。

そう、今週の第一位が誰の曲なのか、知りたいのだ!!

「「ガガガ・・今週の第一位
"オラ和正" "ブラストーリーは越前に"!ガガガ」」

『オオオ・・・』

歓声が上がる。

ラジオから、赤神も知っているほど有名な曲、
ドラマ「豊胸ブラストーリー」の主題歌が流れて来た。


「「ガガガ・・何からデカくすればいいのか♪分からないまま乳は弛んで♪ガガガ」」


その軽快なリズムに合わせ、化け物が、再び襲う!

「くっ、付き合ってられん!早く痢煙さんを!」

赤神が、殴り飛ばした鮫男の身体が、周りを囲んでいた化け物の群れに突っ込み、
将棋倒しのように倒れ伏していく!!

まるで、モーゼの十戒。

風が巻き起こった。

ブワ・・・

痢煙を隠していた霧雨のベールが、その風に、あおられて・・

消えた・・・

「ん!?」

赤神の前、倒れていく化け物らの間に・・

ハンバーガーを持った・・痢煙の・・姿。


「痢煙・・さん・・・」


それは、まるでドラマのような出会いだった。

二人の間で、時が止まったかのような・・・


「丞・・く・ん・・・」


ハンバーガーと、コロリを落とす痢煙・・・


カーーーン・・・・カーーーン・・カラカラ・・カラ・


響き渡る缶の音。

流れ出るリキュール・・

トクトクと・・

トクトクと・・

まるで、二人の胸うつ心臓の音のように・・・

そして、ラジオから流れる曲が、だんだんと・・大きくなっていく・・・



二人を・・包んでいく・・・



・・・あ〜の〜日 あ〜の〜時 あ〜の〜時 あ〜の〜時 あ〜の〜時 あ〜の〜時 あ〜の〜時 あ〜の〜時〜 ああ、あの時〜♪ガガガ・・・
いつやねん(笑)


つづく・・・