あのとき
人形首 + S嬢

目玉が落ちている
あの日の日記にそう綴られていた

『あなたは いったい何をしてたのですか?』

ヘッドドレスの下は 脳挫傷によるドス黒い血が流れ
血塗れの小瓶には 憂鬱の青い薬が粉々に砕けている
飛び交うコウモリの羽音 いっこうに鳴り止まない柱時計
深夜0時を指して 針は完全に止っている 音は鳴り響く

そうよ わたしと同じに イカレているのよ・・・

お気に入りのバニエは ベットリトした血液に汚されて
とても不快感を感じるのだけれども
何度もわたしの手首を痛めたナイフが 赤く錆びついていたことに
なんとも素敵な夢を見てしまう

床にぶちまけた脳みそと血液のワルツ
深い眠りにつく前のわたしのワルツ

“あのとき” あなたは誰と寄り添っていたの?
“あのとき” あなたは誰と抱き合っていたの?
“あのとき” あなたは誰を見ていたの?

 わたしじゃない わたしじゃない あの人は誰?

“血と肉”の蝶が舞い 雨のように降るわたしの血液

死人(シビト)の子宮 あなたの知らない"命"が消えるまで・・・

目玉が落ちている
あの日の日記にそう綴られている

『あなたは いったい何をしてたのですか?』

ヘッドドレスの下は 脳挫傷によるドス黒い血が流れ
血塗れの小瓶には 憂鬱の赤い薬が粉々に砕けている
飛び交うコウモリの羽音 いっこうに鳴り止まない柱時計
深夜0時を指して 針は完全に止っている 音は鳴り響く

そうよ わたしと同じに あのときのまま・・

お気に入りの銀の指輪は 落した薬指と目玉のせいで
とても不快感を感じるのだけれども
何度もわたしを抱いてくれたあなたの腕が 赤く染まっていくことに
なんとも素敵な夢を見てしまう

床にぶちまけた脳みそと血液のワルツ
深い眠りにつく前のわたしのワルツ

嫉妬に駆られてあなたの首を絞めるワルツ
終わりなき愛撫ではなく 無意識の中の抵抗のワルツ

ああ・・それは奥ゆかしさなど・・決してそこにはなく
ただ・・あなたの驚きの顔が・・落ちた目玉に宿ってるだけ・・・

ああ・・あなたの“嘘”を見破った “あのとき”から・・
ただ・・枯れた花のように 落ちた指が そよ風にふかれて・・・

“あのとき” あなたは誰と寄り添っていたの?
“あのとき” あなたは誰と抱き合っていたの?
“あのとき” あなたは誰を見ていたの?
 わたしじゃない わたしじゃない あの人は誰?

“血と肉”の蝶が舞い 雨のように降るわたしの血液

死人(シビト)の子宮 あなたの知らない"命"が消えるまで・・・

私が死んだ・・

" あなた"の日記にそう綴られている

『あのとき・・・あなたの愛する人は誰?』


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